プリント合板で日本建築の良さを守る。お寺さんの内壁リフォーム
創建は数百年前という三原市の古いお寺さんの内壁をリフォームしました。
劣化していたのは木造建築で柱を見せる真壁造りの境内の男女別トイレに近い砂壁。
砂壁が浮いてはがれたりポロポロ取れたり…という状況でした。
そこで「人や物が当たっても削れて落ちることのないように」とのご要望が。
クロスを貼る案もありましたが伝統的な日本建築の雰囲気の良さが消えてしまう…ということでプリント合板を貼ることに。
完成したのがコチラ。

実は土壁の内側には土と竹で編んだ小舞が入っています。
「竹小舞」はこんなイメージ。

つまりプリント合板を貼るために適した下地がありません。
また土壁や砂壁は劣化すると平面じゃなくなり波打つような外観に。単にプリント合板に釘を打つだけではその表面の状態に添ってプリント合板まで波打ってしまいます。
しかしそこは屋内外の壁で多くの施工実績のある三平。竹小舞まで釘を届かせる熟練の技法と釘の数や微妙な力加減の調整でプリント合板を貼って平面を出し歴史ある日本建築の雰囲気を壊すことなくリフォームしました。
ある程度経験のある大工さんじゃないと難しい技法です。
併せてトイレの扉も古くなって締まりも悪くなってきていたため同じくプリント合板で修繕。同じサイズの扉をオーダーメイドで制作しています。
ビフォーアフター。
新しくなった扉で開閉も軽快!
また同様に傷んでいたトイレの壁もプリント合板でリフォームしました。
ビフォーアフター。
男女別トイレはどんつきにあって暗い空間だったのですが今回の工事で全体が明るくなり大変喜んでいただけました。
ビフォーアフター。
アフターは照明を付けていないのに照明を付けているビフォーと同じような明るさです。
日本建築の魅力を後世につないでいくお手伝いができました。
これでもう30年は大丈夫ですね!
参考にしていただけたら嬉しいです(^^)/